政府は15日、国家戦略特区諮問会議を開き、地域限定で規制緩和する「地方創生特区」で新たに愛媛県今治市と広島県を一体として指定することを決めた。市は長年要望してきた獣医師養成系大学新設など教育や観光、創業分野での新規展開に取り組む。
 市や愛媛県によると、獣医師養成系大学は全国で16校(定員計930人)しかなく、半世紀近く新設されていない。四国は空白地となっており、獣医師が慢性的に不足。愛媛は畜産が盛んで、県は「愛媛甘とろ豚」「愛媛あかね和牛」などブランド化に力を入れている。市と県は今治新都市第2地区(いこいの丘)への誘致を目指し、2007年から共同で構造改革特区提案を続けてきた。
 市が大学開設のほかに実施するのは、外国人材の受け入れ、スポーツ・ベンチャー支援。具体的には、地場産業で働く外国人技能実習生の在留期間延長や職種拡充、急増する外国人サイクリストに対応するガイド育成を目指す。また、広島県と共同で、民間主導による「道の駅」運営▽官から民への人材流動化センター設置▽小型無人機「ドローン」による瀬戸内しまなみ海道の橋点検―を進める。